指導要領が新しくなり、新高2生およびその下の学年は一年前から新課程で勉強をしている。
新課程となって指導内容が大きく変わったのは数学と理科だろう。
と、ここまでは私の前回のブログとまったく同じ文章である。(汗)
チェバの定理とメネラウスの定理というのは、私たち世代は学校で習っていない。
しかし近年は高校生が数Aで履修することになっていて、さらに新課程のもとではとうとう中2で習うことになってしまった。
とは言うものの、けっして難しい代物ではなく、解き方の要領を覚えた生徒たちはパズルのようにすらすらと問題を解いていける。
さてつい先日、ある中1生(新中2生)が「先生、質問です。」と私に声をかけた。
私「どれどれ。ああ、これはチェバかメネラウスだなぁ。」
私「この問題を解く前に、まずチェバの定理とメネラウスの定理の復習をしておこうか。」
私「メネラウスの定理というのはな、三角形と一つの直線があるときに成り立つ法則。チェバの定理というのは、三角形と一つの点があるときに成り立つ法則。」
(三角形と一つの直線を描いて)
私「ほれ、ここに三角形と直線がある。二ヶ所で三角形と線分が交わってるな。この線分と直線は交わってないからこうやって線分を伸ばして交わらせてみよう。」
私「このとき成り立つ式があったよな。」
(三角形を指でなぞって一周しながら)
私「分母・分子・分母・分子・分母・分子。」
私「で、この式がいくつになるんだったかな?」
生徒「1です。」
私「そうそう。そのとおり。」
私「そしたら、次はチェバの定理な。」
(と、同様に三角形と点を描いてチェバの定理の確認を行います)
私「さあ、チェバの定理とメネラウスの定理の確認ができたところで、さっきの問題を解いてみようか。」
私「この線分とこの線分の長さの比を求めたいわけだから、二つの線分を含む三角形をイメージしてみよう。」
(生徒は「はっ!」と顔を輝かせて)
生徒「先生、ここに三角形と直線があります。」
私「見えたな。じゃあ、指でなぞりながら三角形を一周してみて。ほら、分母・分子・分母・分子・分母・分子」
私「で、この式の値がいくつになるの?」
生徒「1です。」
私「じゃあ求めたい二つの線分の長さの比は簡単に求められるよな。」
生徒「6:1です。」
私「ほら、簡単だった。ここから先の問題もおんなじ要領だからおんなじように解いてみて。」
生徒「はい。やってみます。」
私「あ、ところでね。チェバの定理とメネラウスの定理って似てるよな。」
私「二つの定理の区別の仕方を考えたことってある?」
生徒「・・・」
私「あ、考えたことない?どっちが線でどっちが点だったか、ごちゃごちゃしてなかなか覚えられないよな。」
私「じゃあ、今考えてみよう。」
(計算用紙に
メネラウスの定理 ⇒ 線
チェバの定理 ⇒ 点
と書いて)
私「突然だけど、『目が点』って言葉、聞いたことある?」
生徒「はい、知ってます。」
私「チェバとメネラウスの場合はな、『目が線』って覚えようか。」
生徒「???」
私「メネラウスの『メ』が線な。」
私「必然的に消去法でチェバの定理は点だと覚えられるから。」
(生徒は再び目を輝かせながら)
生徒「!」
私「そしたら次の問題もおんなじように解いてみてね。」
生徒「はい、わかりました!」
以上、Vキャンパスの日常的な風景をほんのごく一部切り取って描写してみました。
くだらん覚えさせ方をしていると笑われそうですが。
くだらん割りには、一度聞いたらどの生徒も覚えてしまうところを見ると実効性は高いようで。(笑)
こんな風に生徒たちの目を輝かさせるのが私たちの仕事なのかな、などと思いながら日々の仕事に励んでおります。(笑)
Vキャンパス 塾長