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「京料理」考 5

「京料理」考 5 

 これまで「京料理」と一口に言ってきたが、細かくみていくと京料理は次のように定義づけられてきた。
瓢亭の高橋英一氏は、『京料理は有職料理、精進料理、懐石料理、おばんざいが融合したものである』と定義している。宮中を中心とした有職料理、仏道修行と関連した精進料理、茶道の精神に由来する懐石料理、そして日常食であるおばんざいである。それらがかけ合わさって京料理はより奥深いものになっていった。いずれも長い間、都があった京都の歴史に沿ったかたちで発展してきたものであり、決して食材が豊かではない土地で創意工夫がもたらした賜物であろう。おもてなしの心を表現する知恵がそこには随所に感じられる。
 また、遊び心といった側面にも敏感で、今では当たり前となった板前割烹を取り入れることで京料理に新しい風が送り込まれた。客と食材の調理の仕方を相談し、眼の前で調理していく即興でのスタイルは真剣勝負であると同時に、客と調理人の遊び心を含んだものといえる。あたかも、落語やお芝居を観るかのようにそこでは、今宵限りしか味わうことのできない時間が流れていく。割烹が登場したことで、一人前の○鍋(すっぽん鍋)が生まれることになったのもおもしろい話である。
 さて、このように様々なものを取り入れて、複雑に深化した京料理に、料理版の黒船!?ともいえる「ミシュランガイド」の登場で、ひとつの評価がくだされることとなった。商品としての「味(料理)」に星を与えることは妥当であるのか。そのあたりを考えていきたい。
ご存知のとおり、ミシュランはフランスのタイヤメーカーである。ミシュラン社が出版する「ミシュランガイド」は、レストランを星で格付けするやり方で評価を下している。星の表す意味は次のようになる。

                1つ星:その分野で特に美味しい料理
                2つ星:極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理
                3つ星:それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理
                                                                             (ミシュランガイドより)

 タイヤメーカーゆえ、自動車での旅を前提として星にこのような意味を持たせている。日本では、東京・横浜・鎌倉(湘南)、京都・大阪・神戸(奈良)版が出され、欧米諸国をしのぐ星を獲得し、日本食文化のレベルの高さを世界に知らしめることになった。東京は世界の食都であると広言するものまでいるほどである。「外国人に京料理の繊細さがわかるか」など、とかく批判に晒されがちなミシュランであるが、どう捉えたらよいものか。

次号へ続く


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