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何かの役に立つものではありません

今月は相次いで日本人のノーベル賞受賞者が発表されました。
大村博士は微生物の研究を長年されて、その過程で発見された物質が農薬や医薬品に利用されおり、特にアフリカで多くの人が失明をしていた病気の治療法として効果があったことに対して今回の受賞が決まりました。
梶田博士は、2002年に同じくノーベル物理学賞を受賞した小柴博士のもとで、素粒子「ニュートリノ」というものの研究をされ、これまであまりに小さくて質量がないとされていたニュートリノが振動することを発見、ニュートリノに質量があることを証明したことで受賞が決まりました。
梶田博士の受賞決定のコメントがとても印象に残っています。
 
「この研究はすぐに何かの役に立つものではありません」
 
なるほど、ニュートリノに質量があるというのは何か実用的な発見でも研究でもないようです。しかし梶田博士はコメントをこう続けられます。
 
「しかし、この研究は人類の知の地平を拡大する、そういう研究です」
 
塾で勉強に悩む生徒が時々もらす言葉はたいてい決まって「こんなん何の役に立つん?」です。その気持ちはよくわかります、私もそうでしたから。「社会に出たら学校の勉強なんて何の役にもたたない」という大人もたくさんいますし、実際そういう場面も多々あるでしょう。でも、学校で勉強する物事って、「人類」とまでは言わなくても「自分」の知の地平を広げるものなんじゃないでしょうか。
すぐに役立つわけではないし、一生使わないかもしれない。そんな勉強や研究の上に私たちの世界は成り立っています。役に立たないんじゃなくて、役に立てていないだけかもしれません。何がどこで役に立つかなんて誰にもわかりませんし。ただ、そんな研究の蓄積が足下にあるぞ、と知っていることは重要なんじゃないかな、と思います。
 
大村博士の研究は多くの人の命を救い生活を助ける、まさに「人類に貢献する」研究です。博士は受賞決定のコメントでこのようにおっしゃられました。
 
「賞の半分は微生物にあげたい」
 
一見とるに足らない足下の微生物がこの研究発見の立役者ということを考えると、すぐに役に立つ勉強だけが学問ではないんじゃないかな、と考えさせられます。


伸学アルファ北野個別  板原

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